歴史の記録というけれど
それらの殆どは残酷で痛々しい・・・・。
昔、豊住 芳三郎さんの娘さんとお話をする機会がありました。
その時に出た話しですが、豊住さんの自宅に
ミッシャ・メンゲルベルグが遊びに来ていたらしい。
彼女がミッシャ・メンゲルベルグから聞いた話によると、
自分の親戚にユダヤ人がいて、
親がレジスタンス運動なんかにも関わっていて、
子どものころ逃げ回っていたのだそうです。
この事はメンゲルベルグがナチスの協力者であったなどという
単純な話ではないことを証明しています。
この証言が意味する事は、まずナチスの協力者どころか、おそらくウィレムは親戚をかばっていた可能性があるということ。
そしてメンゲルベルク自身、極めて政治的に微妙な立場に立たされていたという事を物語っています。
戦前も酷い目に遭い、戦後も指揮活動さえ出来なかった・・・・
ナチスがオランダに攻め込んでくる1ヶ月前、
どんな気持でマタイを演奏していたのだろうか?
実際に啜り泣く声が記録されている。
ペテロの深い後悔と、目の前に迫るヨーロッパの崩壊とが交差する・・・。
カテゴリー:classical
/ トラックバック:0
/ コメント:0
この記事のURL: http://classicalmusic.blog58.fc2.com/blog-entry-66.html